秋のごちそうとともに──オーストリアの新酒『ホイリゲ』で乾杯!
オーストリアの秋を彩る「ホイリゲ」文化
オーストリアでは、秋の訪れとともに「ホイリゲ(Heuriger)」という言葉を耳にする季節がやってきます。
ホイリゲとは直訳すると「今年のもの」、つまりその年にできたばかりの新酒のこと。
ワイン造りが盛んなこの国では、収穫と発酵を終えたフレッシュなワインを祝い、造り手と飲み手がともに喜びを分かち合う伝統的な文化が根づいています。
ウィーンやヴァインフィアテルなどのワイン産地では、ホイリゲ居酒屋が軒を連ね、地元の人たちは家族や友人と集まり、音楽とともにグラスを傾けます。
ブドウ畑の風がまだ冷たくなる前の季節、搾りたてのワインを味わうこの瞬間こそ、オーストリアの秋の風物詩です。
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聖マルティンの日に味わう、新酒とガチョウ料理
「新酒」と聞くと、日本ではボジョレー・ヌーボーの華やかな解禁日を思い浮かべる方も多いかもしれません。
オーストリアのホイリゲにも似た文化がありますが、そのスタイルはずっとおおらか。
法的な「解禁日」は設けられておらず、慣例的に11月11日の聖マルティンの日(Martinstag)ごろに新酒が登場します。
この日は農作業を一区切りする節目でもあり、各地では家族や友人が集まり、ホイリゲとともに「マルティンガンスル(Martinigansl)」と呼ばれるガチョウの丸焼きを楽しむ風習があります。
(下の写真はマルティンガンスルのイメージ)

香ばしい皮とジューシーな肉に、若々しい酸味の白ワインがぴたりと寄り添う──この季節だけの特別なマリアージュです。
私自身、ウィーンに赴任するまでこの文化を知りませんでした。
けれど、収穫を終えた人々が今年の恵みに感謝しながら、新酒を囲んで笑い合う姿を見てすっかり魅せられました。
肩の力を抜いて、自然体で“ありがとう”を分かち合う時間──それがホイリゲの魅力なのだと思います。
ボジョレーのように厳格なルールではなく、造り手が「そろそろ飲み頃だ」と思ったタイミングで自然とお披露目する。
その自由さもまた、ホイリゲ文化の味わい深さですね。
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フレッシュな香り、軽やかな味わい──Pfafflの「JUNIOR」2025年ビンテージ
ホイリゲの多くは白ワインで造られます。
発酵を終えたばかりの若々しい香りは、まるで摘みたての果実をそのままグラスに注いだようなみずみずしさ。
リンゴや洋ナシ、白い花のアロマがふわりと立ち上がり、口に含むと軽やかな酸味とフレッシュな果実味が広がります。
重たさはなく、どこか素朴で、心まで明るくしてくれるような味わいです。
当社でも、Pfaffl(パッフル)さんのホイリゲを入荷しました。
「JUNIOR(ユーニオーア)」2025年ビンテージです。
少量入荷のため、マルシェなどのイベンでの対面販売のみとなりますが、
搾りたての果実を思わせるフレッシュな香りと、軽快な飲み口が魅力の一本。
冷やして気軽に楽しむのがおすすめです。
フレッシュでやわらかな酸味のホイリゲは、じつは日本の秋の味覚とも相性抜群。
香ばしい焼き秋刀魚、ほくほくの栗ごはん、きのこのソテーやかぼちゃのポタージュなど、季節のやさしい風味を引き立ててくれます。
異国の新酒を味わいながら、日本の秋の食卓とともに季節の移ろいを楽しむ──そんなひとときもおすすめですよ!
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